数理モデルから画像領域分割AIを自動で学習
産業技術総合研究所(産総研)は2023年9月、数理モデルから画像領域分割AIを自動学習する技術を開発したと発表した。大量の実画像収集や人手で行っていた教師ラベル付けなど、これまで行なっていた膨大な作業が不要となる。
大量の実画像データの収集が不要なAIを開発
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業※6」において、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)人工知能研究センター片岡裕雄 主任研究員らは、事前の学習で実画像を一切用いず、数式※7から画像パターンや教師ラベルを自動で生成することでラベル付けのコストを削減し、実画像のデータ数や倫理的な問題、権利関係を気にせずAIの画像認識モデル(学習済みモデル)を構築する手法を世界で初めて開発しました。
東芝ら、高速道路上の穴を検知するAI開発・有効性を検証 2024年度の検知システム実用化めざす
東芝ら、高速道路上の穴を検知するAI開発・有効性を検証 2024年度の検知システム実用化めざす | Biz/Zine
同AIでは、ポットホールの検知において弱教師学習の手法を適用し、変状の有無を選別して学習することで画像内の変状位置を推定。共同実証実験では、NEXCO中日本の車両に搭載したカメラで収集した画像に同AIを適用し、高速道路の走行中にリアルタイムにポットホールを検知する技術の有効性を検証した。
岡山大学ら、AI画像解析からイネの収穫量を推定
高性能のAIを構築するため岡山大学等は、イネ研究者の国際的なコンソーシアムを構築し、様々な品種・地域・栽培環境でのイネの画像と、その画像に写った範囲のイネ収量データを世界各地で収集しました。その結果、400以上の品種20,000 点以上のイネ画像からなるデータベースを構築し、大規模データベースをAIに学習させることでイネの画像から収量を推定するモデル開発に成功しました。