日本の公正取引委員会が生成AIに関する情報・意見の募集を開始しました。

学習データに関する設問もありますので、意見がある方はぜひ送ってください。

(令和6年10月2日)「生成AIを巡る競争」に関する情報・意見の募集について | 公正取引委員会

公正取引委員会の意見募集ですので、米国連邦取引委員会(FTC)がこれまで出している意見や声明に関する内容が役に立つと思いますので、当ページにまとめます。

米連邦取引委員会(FTC)

米連邦取引委員会(FTC)は、AIに関してフェアユースなどと関係なく、FTC法第5条で対応しようとしており、強制手続きを使用できるようにしたりしている。

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FTC法第5条:商取引における又は商取引に影響を及ぼす不公正若しくは欺瞞的な行為又は慣行は、本法により違法と宣言する

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米FTC、ChatGPTのOpenAIを調査 消費者保護で(2023年7月14日)

米FTC、ChatGPTのOpenAIを調査 消費者保護で

FTCはオープンAIに対し、AIの訓練の手法や個人データの取り扱いといった企業側の管理体制について書面で回答を求めた。消費者保護のための取り組みがきちんとなされているかを調査し、対応にあたる考えだ。

FTCは米国著作権局に提出したコメントにおいて、AI関連の競争と消費者保護の問題を提起し、AI市場における競争と消費者を保護するためにその権限を行使することを強調した(2023年11月7日)

In Comment Submitted to U.S. Copyright Office, FTC Raises AI-related Competition and Consumer Protection Issues, Stressing That It Will Use Its Authority to Protect Competition and Consumers in AI Markets

コメントでは、FTCが権利範囲や著作権法に基づく責任の範囲に関する問題を超えて、著作権関連の問題に関心を持っていると説明している。例えば、クリエイターの競争力が不当に侵害される可能性があるだけでなく、消費者の期待に沿った著作物でない場合、消費者が騙される可能性もある。消費者は、その作品がAIによって作られた製品であるにもかかわらず、特定のミュージシャンや他のアーティストによって作られたと思うかもしれない。

米監視当局、AI調査で文書要求権を付与(2023年11月22日)

FTC votes to smooth the way for speedier investigations

・民事調査要求書(CID)を発行することを認める決議案が可決 ・FTCはどの企業を調査するかを指示する権利を保持する →職員は文書や面談をより迅速に要求できるようになる

FTCは、AIを開発したり、AIを使用すると主張したりする開発者の製品が、消費者を欺いたり、騙したり、操作したりするために使用された場合、取り締まるという厳しい警告を繰り返し発している。

例えば、OpenAIのChatGPTが、データプライバシーや風評被害に関する消費者保護法に抵触する可能性があるかどうかを調査している。

2023 人工知能規制:FTCのシニア職員からの最新情報(2023年11月22日)

2023 Artificial Intelligence Regulation: An Update from a Senior FTC Official

米連邦取引委員会(FTC)は、FTC法第5条でAIに対応しようとしている。

FTC法第5条:「商取引における、または商取引に影響を及ぼす、不公正または欺瞞的な行為または慣行」を禁止

FTCスタッフがAIとクリエイティブ分野のパネルディスカッションからの重要ポイント詳細を報告(2023年12月18日)

FTC Staff Report Details Key Takeaways from AI and Creative Fields Panel Discussion

米国の連邦取引委員会(FTC)が2023年10月に開催したクリエイティブな分野を代表する現役の専門家たちが参加したバーチャル円卓会議の主要な点についての報告書

FTCの報告書、AIとクリエイティブ分野のパネルディスカッションの重要なポイントを詳述(2023年12月26日)

FTC report details key takeaways from AI and creative fields panel discussion

クリエイターの同意なしに、クリエイターが作成した「保護された表現」に対して生成AIを訓練したり、その生成出力を販売したりすることは、不当な競争方法または不当もしくは欺瞞的な行為に該当する可能性があると規定した。

さらにFTCは、消費者を欺いたり、クリエイターの評判を不当に利用したり、クリエイターの作品の価値を下げたり、個人情報を暴露したり、その他消費者に重大な損害を与える行為によって、このような行為が増幅される可能性があると付け加えた。

委員会はさらに「他の法体系に合致する行為であっても、第5条に違反する可能性がある」と警告している。

海外当局の動き 「FTC、AI関連の競争・消費者保護の問題を提起」(2024年1月)

2024年1月 | 公正取引委員会

米連邦取引委員会(FTC)のAI関連の情報(主に米国著作権局に提出した意見書の内容)が、日本の公正取引委員会のページにまとまっている。ポイントを分かりやすくまとめてくれているので、一読の価値あり。

FTC、AI取締りのロードマップを修正(2024年1月3日)

FTC Refines Road Map for AI Enforcement

米連邦取引委員会(FTC)のこれまでの動きがまとまっていて分かりやすかった。

FTCは、クリエイターの認識や同意なしにAIを訓練するためにインターネットから作品をスクレイピングすることについての苦情を表明し、現在の通知と同意の流れは不十分であると指摘した。

FTCは、ある目的のためにデータを収集し、それをAIモデル用に処理することは、不公正または欺瞞的な行為である可能性があると強調した。

米連邦取引委員会(FTC)、米国著作権局へのコメントで人工知能による競争への脅威を指摘(2023年11月27日)

FTC Weighs in on Threats to Competition from Artificial Intelligence in Comment to U.S. Copyright Office | Foley & Lardner LLP

FTCのコメントは、主にAIによる競争への潜在的脅威と、AIに関わる著作権の不公正行為の可能性に焦点を置いている。

AIに関連する特定の行為が、著作権法に準拠しているものであったとしても、連邦取引委員会法第5条に違反する可能性があることを示唆している。

AI企業:プライバシーと機密保持の約束を守りなさい(2024年1月9日)

AI Companies: Uphold Your Privacy and Confidentiality Commitments

米連邦取引委員会(FTC)のブログ記事。

AIモデルのトレーニングと展開に関連する虚偽表示、重大な省略、データの悪用も、競争に対する潜在的なリスクをもたらす。

これらの手口は、特に虚偽の約束に基づいて顧客を誘い込んで囲い込んだり、不誠実な企業が誠実な企業よりも優位に立つことを可能にしたりして、公正な競争を損なう可能性がある。

また、顧客企業の競争上重要な情報を利用するModel-as-a-Service(MaaS)企業も、不公正な競争方法の禁止に抵触する可能性がある。つまり、MaaS企業のデータ慣行は、独占禁止法だけでなく、消費者保護法にも違反する可能性がある。

※ MaaS→AIモデルをサービスとして提供

顧客を過去の万引犯と間違える低品質AIを導入したドラッグストアに5年間技術使用禁止の罰が与えられる(2023年12月21日)

顧客を過去の万引犯と間違える低品質AIを導入したドラッグストアに5年間技術使用禁止の罰が与えられる

顧客の顔をデータベースと照合して問題のある人物を特定するAIを導入した大手ドラッグストア「ライト・エイド」に対し、アメリカの連邦取引委員会(FTC)が「監視目的での顔認識技術使用の禁止」を言い渡しました。これによりライト・エイドは技術使用を5年間禁じられ、過去に収集したデータの保護を行う義務も課せられました。

米FTC、AI新興2社と巨大IT企業に投資・提携情報を要求(2024年1月26日)

米FTC、AI新興2社と巨大IT企業に投資・提携情報を要求

FTCは文書で、巨大IT企業との提携による戦略への影響のほか、製品・サービスの価格設定とアクセス許可や人員を巡る決定にどのように影響しているかについて詳しい情報を求めている。

↓公式リリース

FTC、生成AIへの投資とパートナーシップに関する調査を開始(2024年1月25日)

FTC Launches Inquiry into Generative AI Investments and Partnerships

米連邦取引委員会は本日、5社に対し生成AI企業と大手クラウドサービスプロバイダーが関わる最近の投資や提携に関する情報提供を求める命令を出したと発表した。

FTC、人工知能に関する技術サミットを開催(2024年2月2日)

FTC Hosts Tech Summit on Artificial Intelligence

サミットの内容がまとまっている記事。

上記に掲載したドラッグストアのライト・エイドのような対処についても言及。

例えば、AIモデルを使用する企業には消費者への通知を義務付け、違法に取得したデータで訓練させたAIモデルを使用する企業には、モデルとデータの両方を削除することを義務付ける。

AI(およびその他の)企業:利用規約を密かに変更することは、不公正または欺瞞的である可能性がある(2024年2月13日)

AI (and other) Companies: Quietly Changing Your Terms of Service Could Be Unfair or Deceptive

FTCは今後も不公正または欺瞞的な行為を行う企業に対して訴訟を起こしていく。この中にはプライバシーポリシーや利用規約を密かに書き換えて、消費者データを製品開発に自由に利用できるようにすることで、消費者に対する「ゲームのルール」を変えようとする企業も含まれる。

FTC委員長:AIモデルは独占禁止法に抵触する可能性(2024年5月23日)

FTC chair: AI models could violate antitrust laws

米連邦取引委員会(FTC)のリナ・カーン委員長は水曜日、ニュースサイトやアーティストの作品、または人々の個人情報のデータで人工知能(AI)モデルを訓練する企業は、独占禁止法に違反する可能性があると述べた。

以下もカーンFTC委員長の発言

したがって、誰かが作成したコンテンツや情報がスクレイピングされ、それが彼らと競争し、彼らを市場から排除し、ビジネスを転換させるために利用されているとしたら、それは場合によっては不公正な競争方法となりうることは想像できるだろう。

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